レッスンの “ 基礎2” を受けられた人向けに、確認映像を一つ。
ワルツの世界チャンピオンが2019年に福岡に来た時のデモンストレーションなんですが・・
まあ、とにかく素晴らしいですね。 かなり(普通じゃない)アクロバティックなものも取り入れて、ショーとしての作り込みも凄い。 濃密で、場を支配する力がなんというか・・レベルが圧倒的。
(目の前で見たら、夜眠れなくなるかも)
人によっていろんな美しさを発見できる、拾えるところも好印象だなーと思いました。
で、サルサダンスを始めて日が浅い方に見てほしい・確認してほしいところは、
00:31~00:35 の部分。
リーダー(男性)に背を向けた後、3回転のトラベリングレフトターンを行い、その勢いで振り返ってリーダーと向き合っていますが、全く強引に回ろうとしてないですよね。
回転は一つずつ丁寧に軽やかに。
繋ぎがとにかく滑らかなので連続しているように見えますが、意識は一回転ずつです。
(Youtubeは再生速度を落とせるので、スローでも見てみてください。)
おそらく、彼女の頭の中は360度と、180度プラス目線を切って残り180度を回る、その両方のハイブリッドな意識・・みたいなところなんだろうけど。
(いちいち考えなくても、身体は自然に動くんだろうけどね。このレベルになれば。)
そして、この5秒に満たない部分に関して言えば、非常にサルサダンスっぽいです。 ヒザがサルサのターンと同じく、曲げを維持している点もチェックしてみてください。
(ジャンルに拘らず、いろんなものを見てるんじゃなかな?このペア。入り方でリーダーが女性の腕を円形に回すところもサルサではよくやるパターンです。キスはしないけど(笑))
で、何を言いたいのかと言えば、レッスンで言ったような「意識」でターンの練習をしていけば、この5秒程度は、この世界チャンピオンに肉薄できます。 なぜなら、サルサをやる女性がソロで回転するその頻度は、ボールルームダンサーのそれを遥かに超えているからです。
とにかく回数が多い。ターン・スピン・ローリングといったものの回数が。 意識・ポイントさえ押さえられれば確実にこのエレガントさが射程距離に入ります。
ですので、丁寧に練習して行きましょう。 ターン、特にトラベリングターンを。
強引に回ろうとせず、姿勢さえ保てればわずかな力で回っていけることを実感できれば、
かなりのところまで行けるはずです。
(補足)ターン・スピン・ローリングって、和訳すれば全部 “ 回転 ” なんだけど、
この点に関しては英語は日本語よりニュアンスを区別しようとしていますね。
スピンはもちろんクルクルクルッと高速回転する感じ。ダンスにおけるローリングはスピンとは逆で体重を残したりしながらギュルンとゆっくりめで回る感じとか。ロンデ付き(片足を伸ばして回転するような場合)ならばローリングのイメージでしょうか。ターンと呼んでも構わないけど。 ターンは(個人的には)広義と狭義のものがあるように感じます。 すべての回転をひっくるめてターンと呼ぶ(広義の)場合と、単にクルッと癖なく普通に回る(狭義の)場合と。 このように日本語では同じ “ 回転 ” でも、実際の回り方というのはその “ 表情 ” に意外と幅があります。 「回転の表情は一つ」とガチガチに考えず、音楽に合ったニュアンスで楽しんで回ることが、ダンスを魅力的なものに変化させるかもしれません。 その点を、頭の隅に置いて頂けたらと思います。