サルサはターン(回転動作)のとても多いダンスであり、その時の「体感」が極めて重要です。 具体的には、レッスンで行う幾つかのターンパターンをやってみた後に、こちらを読んでもらえると効果的かと思います。 どうぞよろしく!
・・日常生活においては “ ターン ” すなわち 一回転とかすることはまず無いので、
レッスンなどで「右にターン」、「左にターン」と言われても
瞬時に動けないことがほとんどかと思います。 ダンス初心者の場合は特に。
一般的には “ ライトターン ” “ レフトターン ” という呼び方、すなわちターンの区分が一番よく使われるとは思いますが、それ以外にも 「ターンの分類・指定方法」 は幾つかあり、その辺の整理をしておきます。
今後、不要な混乱を避けるためにも。
まず、 “ ライトターン ” “ レフトターン ” ですが、“ ライトターン ” は時計まわりのターンです。
自分の正面(12時 or 0時の方向)を基準に右方向、 すなわち上から見て
「時計回り」に回転して行きます。
“ レフトターン ” はその逆ですから
「反時計回り」の回転。
正面の12時を基準として左方向へ回ります。
ライトターン=右方向=「時計回り」
レフトターン=左方向=「反時計回り」
サルサを始めて最初の頃は “ あれ、どっちだっけ?? ” となることが多いでしょうね。
瞬時に反応するのは案外難しいものです。
覚え方としては、最初は
ライトターンは自分の右肩が後ろに引かれるターン
レフトターンは自分の左肩が後ろに引かれるターン
という覚え方で良い気がします。
参考にしてください。
(右肩甲骨がロープで後ろに引かれるのがライトターン、
左肩甲骨がロープで後ろにひかれるのがレフトターン、
というイメージもかなり良いと思います。)
もちろん、最初に説明したように
正面12時の方向から、右方向がライトターン、左方向がレフトターン
というシンプルな認識でも良いです。
自分にとって一番反応しやすい認識方法を取ってください。
イメージする力に秀でている人で、上空から俯瞰して自分をイメージ出来るのであれば、
ライトターン=時計回り
レフトターン=反時計回り、で良いでしょう。
さて、ついでに、英語における “ 時計回り ” と “ 反時計回り ” について見ておきます。
“ 時計回り ” は英語で Clockwise クロックワイズ
“ 反時計回り ” は英語で Counterclockwise カウンタークロックワイズ
(あるいは、Anticlockwise アンチクロックワイズ) と呼びます。
外国のインストラクターで(来日するようなケースで)頻繁に口にする場合があるので、
覚えておいて損はないですね。
“ クロックワイズ ” と言われたら、ライトターンすればよく、
“ カウンタークロックワイズ ” と言われたら、レフトターンするのが正解というわけです。
ペアダンスにおける回転というものは右回転か左回転しかありませんので
上記のライトターンとレフトターンですべてのターンの方向を説明出来るわけですが・・
確かにサルサの場合、
お互いが向き合った状態でのターンの方向については、ほぼ100%近く、
“ ライトターン ” “ レフトターン ”
と呼ばれているはずです。
(私が経験した範囲内においては。)
しかしながら、女性を右から左へ送り出す クロスボディリード(CBL)系の回転技の場合、
“ インサイドターン ” “ アウトサイドターン ” という表現が多く使われます。
(もちろんこの場合も “ ライトターン ” “ レフトターン ” という表現でも悪くはないし、実際に使われるケースもあるのですが・・ )
この表現、簡単に言ってしまえば、
リーダーが腕を手前方向(インサイド側)に引いて回転させるのがインサイドターン
腕を外へ(アウトサイド側へ)押し出すように回転させるのがアウトサイドターン
ということになります。
また、“ インサイド ” “ アウトサイド ” と省略して呼ばれることも多い。
サルサで非常に多く出て来るCBL系のターンの場合、
インサイドターン=レフトターン
アウトサイドターン=ライトターン
です。
彼女の体の向き、立ち位置=ポジション等によっては微妙に逆転してしまったりするケースも無いとは言い切れないのですが、それは高難度かトリッキーな技の場合。
原則はあくまで上に書いた通り。
そして、実践上では
インサイドターン=レフトターンが基本です。 そちらの方が明らかに割合が多いし、基本となる技術です。
(注:リーダーによってはアウトサイドターンを多用する方もいますが、基本はインサイドターンの方に凝縮していると考えます。)
“ ターンはすべて、ライトとレフトでいいじゃん!”
という名称統一・認識に関する意見もあるかと思います。 まあ、それも有りなのですが
(というか、私もライトレフトで考え、それで通すことが多いタイプですから。)
このインサイドターン&アウトサイドターン、どうしてその呼び方が必要とされるようになったかというと・・
これは、
よりリーダー目線で考えた時に、出て来た言葉・だと考えます。
クロスボディリードやそれをベースとした回転技の場合、
リーダーは女性を右から左へ送り出します。
そして、レッスン等で、
リーダーがフォロワーと繋がった手を
どう操作(リード)するのかを説明したり、指示したりする必要が出て来る。
その際、
女性を正面ではなく、動く彼女をその側面から捉えるリーダーにとって
インサイドすなわち「内側に引く」、アウトサイドつまり「外側へ押す」
という言い方が技を身に付けようとする者にとって、よりわかりやすくメリットがあったのだと思います。
(もちろん先に述べた通り、レフト・ライトでも悪くはないのですが。)
女性の回転方向というよりむしろ、リーダー(大抵の場合男性)がどう腕を動かすかという視点によって区分けされた呼び名が、
“ インサイドターン ”
“ アウトサイドターン ”
ということになるでしょうか。
つまり、あなた(二人称)で考えずに、私(一人称)で考える事で、
リードをよりわかりやすくマスターさせようとしたと。
そして、間違いなくアメリカにおいての話、ということになるでしょうね。
この呼び方が支持され、定着して行ったのは。
リーダー育成には時間がかかりますからね。些細な点でまごついたり、つまづいて欲しくない。
したがって、ビギナーでも瞬時に理解できるような表現が求められ、結果、“ 内に引いて!” “ 外に押して!” という指導が成されるようになり、これがわかりやすかったので広く定着していった・・そういう経緯なんじゃないかと思ってます。
そういう訳でクラブレッスンなどでこの
“ インサイド ” “ アウトサイド ” という言い方は結構出て来るはずです。
サルサビギナーや初級の人は↓
インサイドターン =リーダーが腕を内側(インサイド)に引くターン=女性のレフトターン
アウトサイドターン=リーダーが腕を外側(アウトサイド)へ押すターン=女性のライトターン
という風に覚えておきましょう。
以下、ビギナーにはあまり必要でない補足を二点ほど。
(飛ばしてもらって結構です。というより、ビギナーの方は必ず飛ばして下さい。)
《補足・その1》
リーダー目線、すなわちリーダーの腕の動かし方ではなく、あくまでフォロワー目線での解釈もあって、
それは・・
フォロワーから見て、リーダー側に向かって回転するか(インサイドターン)
リーダーから顔が離れるような回転を行うか(アウトサイドターン)
というものです。
リーダー側つまり内側へ顔が向いて行くターンがインサイドターン、
外側へ、すなわち顔が離れて行くターンがアウトサイドターン。
です。
現象(動き)としては全く同じものを、
リーダー目線で見るかそれともフォロワー目線で見るか・の違いです。
まあ、一般的には先に述べた通り、
リーダーが自分の腕を “ 内側(インサイド)に引くか ” それとも “ 外側(アウトサイド)へ押すか ”
という見方の方が優勢じゃないかな・・と私は考えます。
でも、上手に素敵に楽しく踊るために、そこに “ 使える視点・把握の仕方 ” があるのであれば、
何でも有り、です。 総動員して構わない。
ですので、視点を変えていろいろイメージ、シミュレーションしてみてください。
今後、サルサというダンスを眺める際に、
リーダーの視点、フォロワーの視点、第三者(たとえば観客)の視点、俯瞰して見る視点、
足元のみにフォーカスした視点、腕の動きのみを見る視点、腕・肩・肩甲骨のみを見る視点、骨盤の動きと角度、そのグルーヴのみを見る視点、ボディの安定度だけを見る視点、特に上下動のみを見る視点、
身体の動きは無視してポジションだけを見る視点、流れや加速だけを見る視点、動きの軌跡だけを見る視点、力の抜け具合と緊張を見る視点、
音楽との同期と溜めや外しを見る視点、要は音楽に対するリスペクトがあるのか・音楽の波に乗れているかという最も大切な視点、ダンサーの表情だけを見る視点、目線のみを見る視点、
ペアの雰囲気だけを見る視点、何より女性が花として見えているか(男は額縁・女は花束〈花〉)という視点、空間への支配力を見る視点、無論、全体を楽しんで見る視点、没入感のある無しなどなど・・
(まあ、いろいろあるわけですよ。)
そして、あくまでもソーシャルダンスなので単純にお互いが楽しめているかどうかというのが一番大切な訳ですけど・・ そんな風に視点を変えながら他のペアの踊り方、一連の流れを見るように心掛けていれば、いい感じで上達して行くと思います。
ダンスの場合、自分で身体を動かしてみる事が重要なのはもちろんですが、
(また、頭を空白にして “ 感じ取るだけで踊る ” ことも大切でしょうね。 女性の場合は特に。)
立ち止まって、視点を切り替えながら他者のダンス(特に動きの流れ)を見る事は
とても大切な気がしています。
うん、『見る事はとても大事』ですよ。 自分だけ~じゃなくて他のペアをきちんと観察する癖のある人は、やはり上達している・壁を乗り越えている気がします。
《補足・その2》
サルサにおいては右から左へ送り出すクロスボディリードの動きが極めて大切ですし、頻繁に使われますが、リーダーがフォロワーを左から右へ引き込むようにターンさせることも・・
もちろんあります。
この場合、上で書いたことと逆、
すなわち、
インサイドターンが 女性のライトターン
アウトサイドターンが女性のレフトターン
ということになってしまいそうですが、ちょっと混乱してしまうかもしれませんね。
とりわけ、ビギナーの人は。
こういうケースでもインサイド&アウトサイドと呼ぶのが良いのか、
それともライトターン&レフトターンと言う方がスッキリするのか、
本当に好みですので、自分がわかりやすい方法で理解するようにしてください。
ちなみに私は、混乱しそうだったら「迷わずライトかレフトで見る」、
あるいは「時計回りか反時計回りかで判断する」、
そして表現するようにしています。
ボールルームダンス(いわゆる社交ダンス)における
右回転と左回転を表現する言葉です。
ナチュラルターンが右回転(時計回り)
リバースターンが左回転(反時計回り)
その性格上、個人の回転ではなく、組んだペアでどう回転するかを指している言葉ですね。
サルサをやる上では、まず使われない言葉だし、
基本的には覚える必要のない呼び方ですが
(サルサは新しい要素をどんどん取り入れて進化していくダンスなので今後はわかりませんが。)
一応書いておきます。
もしかすると・・ 役に立つかもしれないので。
まず、同じクローズドポジション(クローズドホールド)で組んだ場合でも、
サルサとボールルームダンスではそのニュアンスが違っています。
一番の相違点は、横のずれの有無でしょうね。
サルサではほとんどの場合、お互いが横にずれたりせず、
相手を正面に見る位置へポジショニングを行います。
(技の種類等によっては、ずれが生じたり、それを作ることも当然あります。)
ボールルームダンスの場合・・ これは逆ですね。
ほぼ100%ずれて組みます。(スタンダード種目の場合。)
ワルツなどのボールルームダンスにおける男女の標準的なずれは、なぜ生じたのかと言えば・・
優雅に踊る、そのために一歩を委縮せず自然に踏み出したい。
よってお互いにずれを作り、足がお互いぶつかることなく、相手の股下のスペースにも自然に足を踏み出せるようにした。
・・というもっともな(物理的な)理由もあったに違いありませんが、
直接的な理由(引き金になった出来事)は、ヨーロッパの貴族階級によって洗練されていったパートナーダンスですけれど、
(歴史的には庶民の間で基本的なフォーマットが生まれ、爆発的な流行となり、
貴族とかは最初は胡散臭い眼で眺めていたが、好奇心旺盛で頭の柔かいタイプの権力者が自分もやってみて
“ なんだ、これは面白いじゃないか!? ” と保護に走り、洗練させていった・・ というのが基本パターン。)
その洗練されて行った “ 社交界 ” のダンスでは、
正装した男性とドレスアップした女性が踊っていた訳ですが、
男性の中でも騎士のような軍人、彼らは左腰にサーベルを下げており
この剣の柄が女性に当たらないようにするため、男性が左方向にずれて(スライドして)踊るようになりこれが定着したというものです。
そして、こんな風にずれて組んだ男女がお互い前進した場合、これは
時計回り(右回り)の回転になります。
自然に(ナチュラルに)前進して生じたのが時計回り(右回り)の回転・・
ここから
時計回り(右回り)の回転のことを “ ナチュラルターン ” と呼ぶようになりました。
そしてその反対方向、すなわち反時計回り(左回り)の回転の場合は
前進するターンの逆で、足を後退させて行くので
“ リバースターン ” と呼ぶようになったというわけです。
(クルマのシフトチェンジのようなもんですね。D・ドライブ⇔R・リバースみたいな感じ・・)
この “ ナチュラル&リバース ” という用語の組み合わせに違和感を感じるダンサーもいるかもしれません。
リバースを採るんだったら、前進はフォワードでしょ?
なんでフォワードターン&リバースターンでなくて
ナチュラルターン&リバースターンなの??
せめて、ノーマルターンとかレギュラーターンならわかるけど・・
ナチュラルって・・ なんで??
みたいな感じです。
つまり、歴史的な経緯からそう呼ばれるようになった訳ですね。
もう一度言うと、
男女のずれ(男性が自分のポジションを左側へ半身シフトする ≒ 男性が女性を半身右側へスライドさせる)
が発生し、それをキープした状態で
自然に(ナチュラルに)足を踏み出した時に起きる、時計回り(右回り)の回転動作のことを
“ ナチュラルターン ” と呼ぶようになり、
逆の反時計回り(左回り)は足を後退させることもあって “ リバースターン ” と呼ぶようになった。
そういうことです。
さて、サルサの場合、
このようなヨーロッパのダンスの歴史的影響をダイレクトには引き継いでおらず、
(カリブの島々に入植したヨーロッパの人達が持ち込んだパートナーダンス、この影響が下地にはありますが、ダイレクトな、すなわち貴族の社交の場からの直接の継承はない、もしくは緩いということ。
影響を受けているとしても間に幾つかステップを挟んでいる、間接的であると考えられる。)
その点は大変新しいダンスであることのアドバンテージと言いますか、
ずれて組む場合とずれないで組む場合のメリット・デメリットを天秤に掛け
後者、すなわち “ ずれずに組む ” 方をスタンダードなスタイルとしたのだと思います。
現場での感覚的な選択、自然な選択と淘汰だったとは思いますが。
したがって、サルサダンスの場合、踊る男女はお互いの顔を正面に捉えます。
・・足に関しては、接触する確率が高まってしまいそうな気がしますが、サルサのような膝の曲げをキープする歩法では、つま先がさほど前に行かず大丈夫なんですね。
また、基本ステップ自体が男性が踏み出せば女性は下がる、女性が踏み出せば男性は下がる、そんなステップになっていますから、やはり大丈夫。
更に、骨盤がやや前傾してその上に上半身のボディが自然に乗るようなフォームで組むのが好ましい※とされますから、骨盤より下、すなわちお互いの大腿骨の距離が離れることになり、余計ぶつからなくなります。
キューバンスタイルでは更にお互いのバックステップを上手く使ったりしていて、これまた巧い具合に
相手の足を踏まないように出来ています。
※ 骨盤の角度に関しては、“ 骨盤が立っている ” のを理想形とするダンサーやスポーツ選手は多いと思われますが、優れたサルサダンサーやラテン系ダンサーの映像を見ていると前傾気味か、かなり前傾の人が圧倒的多数なので私は前傾を推しています。(特に女性に関してはそう。) 一般の方、それなりに運動をやってきた方でもジャストの位置に骨盤(特に仙骨)を立てることは極めて難しいと思う。立っていると感じていても全然後傾してたりするんですよ。日常生活がそうなっているから。 感覚自体がおかしくなってしまっている。ズレている。 それならば前傾気味の方が遥かにメリットがあると考えます。そして、実際にメリットがある。 これを反り腰だと叩かれたりするんですが、いやいや現代日本人の骨盤は後傾しまくりで、まずは意図的に前傾させて可動域を広げないと・・ 本来の人間のナチュラルな姿に戻さないと・・ というのが私の持論です。 その辺は、腰痛関連の話と合わせ、また別なところで書こうと思っています。
以上、ここまで
☆ ライトターンとレフトターン
☆ インサイドターンとアウトサイドターン
☆ ナチュラルターンとリバースターン
この三種の呼び方について説明しました。
これらはすべて回転方向、すなわち
右回り or 左回り、時計回りか反時計回りか、という観点からターンを区別する言葉です。
次は、
移動の有無、回転数、回転量、といった点からターンを区別していく言葉について
見て行きます。
移動しながらターンするのか、それとも
その場でターンするのか、といった点でターンを区別したい時に使われる言葉です。
トラベリングターンが、移動しながらのターン。
スポットターンが、その場でのターン になります。
(スポットライトの “ スポット ” ですね。 特定の位置・ポイントの意で、ターンの場合には「その場」を意味します。)
ただし、
スポットターンの方は本来の意味から離れて、
ある特定の技を指す場合がほとんどです。 現在のサルサ界では。
(今まで通り、LAon1スタイルのカウントで説明して行きますが・・)
普通につないだ男性の左手と女性の右手、
カウント1からオープンブレイクを行い、向かって左側(彼女の右側)の空間へ進行。
カウント3でリーダーの進行方向に対し
10時くらいの傾きでクローズドポジションを取る。
(お互いの身体がややずれた状態で組む。彼女の左肩甲骨に右手を重ねて。
この肩甲骨を取るタイミングはカウント “ 3& ” か “ 4くらい ” でも全く構わない。ポジショニングは3で
その位置にほぼ居るべきですが。)
そして、前進したそのままの勢いで
くるくるっと
270度、もしくは360度回転する技・動作、
これが、いわゆる「スポットターン」ということになっています。
言葉で説明されても、いまいちハッキリわからない・・
はい、あせる必要はありません。パーティなどで使っている人は大勢います。
眺めていれば、いずれわかります。
私はスポットターンは現在のサルサの技術体系の中で極めて重要だと考えているので、当道場では初期段階でスタンダードなやり方を身につけてもらう予定です。
さて、この “ スポットターン ” ですが、
ボールルームダンス的に言えば
“ ナチュラルトップ ” もしくは “ ナチュラルトップターン ” の事です。
この場合の「トップ」は最高とか頂点といった意味ではなく、独楽(こま)という意味です。
トップにはそういう意味もあるんですね~
ナチュラルは右回転の事でしたよね。 したがって
「ナチュラルトップ」=「右回転の独楽」という意味です。
そういうニュアンスのターンの事。
それ以外の名称としては、相当前にサルサの世界で使われた言葉で
“ コーヒーカップ ” という呼び名もあったらしいですが、
今は全く聞きません。 単にスポットターンと呼ぶケースがほとんどかと思う。
(この言葉は、直接的には器ではなくて、遊園地のコーヒーカップを指しています。
あの楽しくクルクル回る感じに例えたのでしょう。)
スポットターン、ナチュラルトップ、ナチュラルトップターン、コーヒーカップ
皆同じ内容の技を指します。
ナチュラル・・ には、ボールルームダンス的な響きがあることは
先に触れた通りです。
個人的には
コーヒーカップはなかなか上手い例えで、また短く呼びやすいと思っているので、
本道場では、その呼び名も使って行きたいと考えています。
(リバイバルということですね。)
(注)
このように現状、「スポットターン」という言葉は上記の技を指すことがほとんどな訳ですが
(もちろんそれが、回転のための中心軸を固定して “ その軸が移動して行かずに ”
つまりスポット(その場)で回転する技、それも頻繁に使用される技だったからこそ、元々はカテゴリーを指す言葉だったのが、固有の技の名称として固定化したのだとは思いますが。)
もしも、本来の意味での“ スポット ”
つまり、「トラベリングではなくてその場でターンするんだよ~」という事を強調して言いたい場合、
どう呼べばよいかと言えば・・
これは、
「その場で!」 「スポットで!」 「その場でターン」 「スポットのターン」
みたいに言うしかないですね。
まあ、トラベリングに比べ、いちいち
スポットでというのを指摘するケースは稀なので
現状、不都合はほとんど無い・ということなのでしょう。
おっと、“トラベリングターン” の方を補足すると、
CBL(クロスボディリード)は正味半回転で女性が移動して行きますが、
これに、更に1回転を加えた1回転半のレフトターン(クロスボディ・インサイドターン)が典型的なトラベリングターンだと言えます。
まあ、この辺は身体を動かさないとわからない領域なので、レッスンで詳細を解説していくつもりです。
「回転数」でターンを分類したい時に使う言葉、です。
シングルターンとはもちろん、基本となる1回転のターンの事。
マルティプルターンはそれ以上の回転数のターンを指します。
(ほとんどの場合、整数回転を指しますね。1.5回転とかではなくて
2回転、3回転、それ以上・・ といった感じです。)
実際はマルティプルなんて固い言葉を使うことは非常に少なく、
ダブルターン、トリプルターン、といった風に表現します。
レッスンの現場では単に “ ダブル ” “ トリプル ” という風に言うことも多いです。
(でも実際のクラブレッスンとかでは、やったとしてもダブル止まりでしょうね。
回転数としては。)
「回転数」ではなく、「回転量」でターンを指定したい場合に使われる言葉です。
フルターンは一回転。 実質的にはシングルターンと同じです。
ハーフターンは半回転。 サルサではとってもよく出て来ます。
レッスン等では回転方向も入れて、「ライトハーフ!」 「レフトハーフ!」 と言ったりします。
(ハーフライト、ハーフレフト、と呼んでも、もちろんオッケーです。
英語的にはハーフターントゥライト、ハーフターントゥレフト、と言うのが
より正しいのかもしれませんが、短い呼び名で正確に伝わればそれで良いので。
文法抜きにして右か左を先に言う方がわかりやすいかな? その辺は各自のフィーリングで。)
クォーターターンは1/4回転。 でも “ 90度 ” と普通に呼んでいるケースが多い気がします。
これも、瞬時に正確に伝わればそれで良いので、クォーターでも90度でも
お好きな方を使って理解してください。
補足すると、
クロスボディリード(CBL)などは、厳密に言えば・・
リーダーは右肩軸のクォーターレフトターンをしながら女性の通る道を開け、
彼女が通過後に、今度は左肩軸のクォーターレフトターン(再度)に近い動きでその正面に戻っている・
ということになりますね。
(回転量としてはクォーター+クォーターでハーフターン=180°という事。)
フランスから BAILA PRODUCTIONS のレッスン映像を。
こういう練習は手軽に出来て、すごーく役に立つと思います。
回転量のコントロールが自然に出来るようになるための練習ですね。
比較的、プレップ(プレパレーション= 多くの場合、回転の前の準備動作のこと。
“力を溜める” という解釈でOKです。)
をきちんと入れた、プレップ重視のターンスタイルになっています。 とっても綺麗ですね。
それから、映像の中では
四分の一、すなわちクォーターターンを “ 15ミニッツターン ”
ハーフターンを “ 30ミニッツターン ”
四分の三回転を “ 45ミニッツターン ”
一回転はそのまま、フルターンと呼んでいます。
時計の長針の分数に合わせて、角度を指定する方法、
とてもわかりやすくて、これも良いですね。
以上、ターンを分類する時に使う「名称」について説明してみました。