はい、私の出身地です! 実家へ帰省した際(2024年3月)に、現状調査も兼ねて踊ってきました。
★ティエンポ
お薦めですね。 初心者さんからベテランまで、おすすめ。
ラテン文化センターというNPOが1997年からダンス・音楽・語学・アートといろんなジャンルの講座・イベントを開いており、サルサイベントもかなりやってます。
詳しく知りたい方はこちら↓
https://tiempo.jp/about/about.html
《住所》
福岡市中央区大名1-15-11 Daimyo11511ビル 3F
ここでサルサを踊りたい場合は、土曜の夜 ですね。
「サルソン」 というパーティがあります。
19時から23時までがフリーのダンスタイム。
18時から50分間のレッスンもあり、そこから参加するのがとてもおすすめ。
(土曜でも別なイベントになっている場合があるのでスケジュールをご確認ください)
私、初めてサルソンに行ってみたのが10年ほど前でしたが、楽しかったですよ。その後も何度か行きましたね。
今回はホント久しぶりでしたが・・ やはり楽しかった。
ところがですねー 今回ちょっと驚いたのが、フリーのダンスタイム始まってビールぐびぐび飲みながら見ていると・・ ON2が・・ 結構いるじゃないですか。 あれっ?っていう感じ。
こんなにいるんだ。ON2女性の遭遇確率は中目黒の五倍(笑)みたいな印象。たまたま切り取った印象ですけどね。 でも「これだとリーダーは大変だなあ」と思って飲みながら聞いてみたんですよ。以前と違ってたんで。そしたら「ON2のレッスンやってる人達が遊びに来ているんだと思うよ」みたいな返事。
なるほどね。 たまたま今回はそうだった、みたいです。
講師陣は外国の方も含め、キューバン好きが多いのは確かです。
すなわち、ロサンゼルススタイル同様、カウント1&5で前後にブレイクする『ON1タイミングのサルサ』がここ(ティエンポ)では主流なのは間違い無し。
かかってる音楽はやはりというか、バチャータ多めでしたね。
サルサ6にバチャータ4・・くらいかなぁ。DJ(講師さん)の掛け方が個性的で、交互ではなくてバチャータ四連発とか(笑) 「君たち好きなんだろ?! じゃあ連発‼」 みたいなノリ。
ほぼラストまで居て、メレンゲはゼロ(泣) チャチャチャが2回。 そんな感じでした。
もちろんたまたまこの日がそうだっただけで、日によって変わるとは思いますが。
フロアはある意味理想的なレイアウトで、正方形に近いダンスフロアの左右両サイドにゆっくりご飯を食べるスペースがあり、そこは奥まってもいるので休みたければ好きなだけ休めるし、手前バーカウンターの前にも着席できるように椅子とテーブル多数。 誘いやすいですね。
で、あっという間に時間が過ぎ、気が付いたら小倉方面の終電を逃してしまいここはオールではないので別なバーを見つけて知り合った若者達と飲んでました。
やはり博多は良い。 おそらく日本で一番ラテンの血が濃い・・と断言。(^^♪
なんだかんだ言って、ペアダンスって相手との距離を溶かすマインドが必要だったりするので、それを兼ね備えている博多っ子ってサルサ向き、ペアダンス向きなんだよな~。
最初は「なんじゃ、こいつ」と思う事もあるかもしれないけれど(笑)
外観です。三階がティエンポのスペースになってます。
さて、この【ティエンポ】ですが、聞き慣れない響きだけどどんな意味かと言えば・・
スペイン語の “ tiempo(ティエンポ) ” には大きく二つ、 “ 時間 ” そして “ 天気 ” といった意味があります。「良い時間を共有しよう」「一歩一歩歩いて行こう」「晴れの日もあれば雨の日もあるけれどそれはそれ」みたいな意味を含ませているのかな~と思ったのですが、
理事長さんのインタビューを見つけたので、掲載しておきます。
https://www.welcome-fukuoka.or.jp/blog/archives/341
“『ティエンポ』とは、スペイン語で『時』を意味します。文化について語る際、『時間』は極めて重要な役割を担っています。異なる文化を引き合わせ、文化の懸け橋を作り、そして文化間の相互作用の関係を持続させるには時間がかかるのです。”
なるほど。 キーワードは『時』
異なる文化同士を繋ぐには『粘り強く時間をかける』『時間を味方につける』ことが大切。
よって【ティエンポ】と命名。 みたいですね。
納得!
★Latin Bar SALSA
どストレートなネーミングですね。 嬉しくなります!
今回、平日に行ったので混雑という感じではなかったですが、おそらく週末は相当混むのではないかと・・
みんな親切。
《住所》
福岡市中央区天神3丁目4−15 天神バッカス館 3F
https://www.latinbarsalsa.com/
写真見てると外国の方多い印象ですね。 週末はこういう感じになったりするのかな。
https://cameraman.motormagazine.co.jp/_ct/17228013#content-paging-anchor-17228013
https://cameraman.motormagazine.co.jp/_ct/17228013/p2#content-paging-anchor-17228013
次回はぜひ週末に行ってみたいです。
★ONEWAY
正式には
“ONEWAY Off Broadway”
だと思うのですが、みんな “ ワンウェイ ” と短く呼んでますね。
《住所》
福岡市中央区舞鶴1丁目6-2 2F
・・1998年から2017年まで、20年間に渡り発刊された
『SALSA120%』というフリーペーパーがありますが、
(通巻202号という、文字通り日本のサルサの貴重な記録だと思います。
以下のURLでダイジェストが見れます。)
https://www.salsa120.jp/backnumber/
このフリーペーパー、これだけ濃い内容で最後まで無料であり続けた事が凄い!のですが、
東京のサルサバーの広告がほとんどの中、福岡の “ ワンウェイ ” は常連のイメージがありました。
エルサルバドル出身のSoniaさんが福岡でサルサ普及のためにこのクラブを始めたのが1993年・・
とあり、凄いね。 六本木のスダーダ開店と同じ年ですよ。
“ 踊る場所(東京)” のところで、『日本においては、スダーダが常にサルサが踊れる場所を提供したパイオニア』みたいな書き方をしましたが、“ 東京のスダーダと福岡のワンウェイ・オフ・ブロードウェイ ”、という風に書き換える必要があるかも。
したがって、1993年。これが日本におけるサルサダンスの元年、なのかもしれませんね。
サルサミュージックということで言えば、1972年にファニアオールスターズは来日しているし、河村要助氏による著書「サルサ天国」が話題になったのが1983年。
和製サルサバンドの老舗、オルケスタ・デル・ソルのレコードデビューが1981年。
オルケスタ・デ・ラ・ルスのファーストアルバムが1990年。(NHKの紅白出場が1993年)
音楽は浸透していったけれど、ダンスが受け入れられるのはタイムラグがあって、実質90年代後半からということになるのでしょうか。
『SALSA120%』が1998年発刊というのも、それを裏付けているような気もします。
現在のワンウェイ・・ですが、金曜の夜(とりわけ第一金曜日)が盛り上がっているという話を聞きましたが、今回は来訪できなかったので、レポートはまた次の機会にやりたいと思います!
★さて、ここまで紹介したティエンポ、Latin Bar SALSA、ワンウェイの場所ですが、離れていません。
博多の「天神西通り」と「親不孝通り」という南北一直線上の通りに沿ってあり(ティエンポはやや西側だけど)一番離れたティエンポ⇔ワンウェイ間でも1km、徒歩で15分ほどで行ける距離。その間に Latin Bar SALSA がある感じで、サルサ好きにとってはもう本当に便利過ぎるロケーションだと言えるでしょう。
地下鉄で天神まで行ってしまえば、もう後は好きにしてください。(笑)
★familia(警固)
こちらはサルサバーとして営業しているわけではなくてカフェバーという業態なんだけど、時々サルサ関連のイベントが開かれるとのこと。
《住所》
福岡市中央区警固1-13-1 アークケゴ 4F
ティエンポから西へ400メートルちょっと、ゆっくり歩いても10分はかからない。
やはり恵まれてますね。博多のラテンソーシャルの状況は。
・・こうやって見ていくと福岡、特に博多ってサルサライフを送るには非常に恵まれた土地だという事がわかりました。
祭り好きな人が多いのは当然知ってたけれど(自分も含め)、年に一度の祭りの時期だけじゃ飽き足らず日々、踊り・飲み・騒ぐ。ラテンのDNAみたいなのがあれば、直系で受け継いでますね。福岡というか特に博多の人は。
★エル・バリオ(北九州・小倉)
博多エリアではなく、小倉の方です。
北九州市内では唯一のサルサバーのはず。
マスターと話をしたんですが・・
バーを開いていてサルサもやろうとしたのではなく、サルサダンスをやりたくて開いたバー らしいです。
東京で働いてらしたそうですが地元の福岡に戻り、踊れるスペースを作れるテナントを探し出して2004年にオープン。 今年で20周年になりますね。記念パーティ開くそうです。
オープン当時、同時期にオープンしようとしていたラスリサスの “ 銀座にラテンバーを!~ 独立開業日誌 ” を見ていて共感していたとか・・
私も読んでたので「あのオーナー、スピード感もパワーもありますよね。凄っ」と話が合いました。
でもね、私のようなサルセーロとしてはとてもとても残念なことに、そしてマスターも言ってたんですがここも「コロナで様変わりした」らしくサルサを踊るスペースはダーツコーナーとテーブルスペースになっていました。前来た時とはレイアウトが変わってる。
以前踊ってた人もなかなか戻らず、新しい人は濃厚接触であるペアダンスは(無意識なんだろうけど)趣味としての選択肢・その順番が低下したまま・・
インストラクター呼んでも現状では難しい。といった話も聞きました。
どこも同じ悩みを抱えている、それをあらためて実感しましたね。
東京圏でもまだまだ苦戦しまくりの現状があるので、100万都市レベルでも完全復活にはまだまだ時間がかかると。
じゃあ、なんで先ほどまで書いた “博多” はそれなりに維持・健闘していて、その他は難しいのか?
それは博多っ子が特別なんでしょう。
アゲアゲというか、やはり変。(いや褒めているんですよ本当に。私も福岡生まれで高校まで福岡育ちなので、よくわかる。あそこはブラックホール〈いやホワイトホール〉というか異世界の勇者みたいなのがポツポツいてその仲間になりやすい世界。(笑))
基本的に内部テンション高めの人、立ち直りの早い人の割合が多いような印象があって、そこはリカバリーしたい時にはプラス。
それから、
NPO法人が活動できるスペースを持っていたことも足腰を強くしていると思いますね。そこはかなりの強み。
それと、飲酒を伴うナイトライフが充実しているエリアというのは、法律と治安がきちんとしていることを前提に、公共交通機関が少数でも夜遅くまでやっているか、住まいが徒歩圏にあるか、そのどちらかなんだろうなと思う。 博多の場合はおそらく後者なんですよ。(たぶん・・那覇などもそういう気がする。タクシーが安いということもあるだろうけれど。)
北九州の場合は繁華街から自宅まで徒歩圏ではないんですよ。そこがある意味ネックかなと。
マスターとの話、その続き・・
『サルサやる男は飲まな過ぎる。サルサバー開いて想定外だったのはそこ。最初はどうせカウント外してるんだから飲んでも変わらないはず。ww 良い気分になった方がガチガチのステップも滑らかになる・・かも。 もっと飲んでくださいね!(笑)』 でした。
女の子はそこそこ飲むんだけど、男がまるで飲まないので店が儲からない、そういうこと。
いやー、なるほど。 その視点は無かった。 「駆け出しのリーダーはリードに集中するため飲むことを忘れているか、飲みたがらない」 いや、言われてみれば確かに納得するんだけど。
やはり現場の経営者との話は貴重。
あらためて思うんだけど、
サルサダンスにおける、サルサバーの存在って我々が想像する以上に大切なんですよ。
東京は公民館系とかがずっと盛況だったけれど、まったくのビギナーが公民館に連れてこられて「自分もサルサやってみよう!」となるかと言えば、それはいないとは言えないけれど、やはりサルサバー・ラテンバーの方が疎外感・アウェー感が低いし、入って行きやすい。そちらの方がソーシャルダンスの世界に足を踏み入れる確率は高い、そう思う。
踊ることに特化したダンス空間も悪くはないんです。けれども、新しい人を迎え入れるためには眺めているだけでもいいし、ゆったり飲んでてもいいし、世間話をしているだけでもいい、そういう居心地のいい空間の方がソーシャルダンスの世界に自然に入って来れると思う。そして、踊る以外の楽しみに満ちた空間の方がやはり吸引力はある。
(周囲を誘う側も「公民館行こうぜ!」より「サルサバー行ってみない?」の方が好奇心に訴えやすいというか、実際誘いやすいというのもあるしね。)
自分もサルサバーに連れて行かれてダンスを始めるようになった一人なわけで、『ソーシャルダンスを始めるきっかけを “ 緩く ” 提供する場』として、やはりサルサバーの存在は貴重であり必要不可欠なんだと思う。
だから、もう一杯、オーダーしようね! 特に男性。 そういう事。
じゃあ「アルコールを飲まない人」はどうする?
ノンアルで行くか、フードをオーダーしましょう!
さてと・・紹介中の福岡エリアだけど、博多と小倉の距離感がわからないという人のために補足しておくと・・ 在来線だと結構な時間が(片道1時間半近く)かかるんだけど新幹線だったら16分ほどで行ける。 ソニックという特急ならば45分ほど。 高速バスもあるけれど80分だね。 その辺はお好みで。
このエリアの特色と言えば・・ まあ、魚好きの人なら相当満喫できると思う。マグロとかの赤身ではなくて白身か青魚系が売り。
フグとかもお薦めなんだけど。安く食えますよ。小倉はね。
魚食ったらトンコツラーメンで締めるも良し、さらに一杯やるも良し。
紹介したエル・バリオは “ ご近所さん ” という意味。
チャージ料無し!で飲める、雰囲気の良いバーです。
今は残念ながら踊れる状況ではないけれど、小倉にお立ち寄りの際はぜひどうぞ!
《住所》
福岡県北九州市小倉北区魚町1丁目2-11 2F
以上、福岡県のサルサスポットを見てきましたが、
2024年の春、まだまだ回復途中・再起動中だというのは全国共通。
あー、橋本環奈サルサやんねーかなぁ。男が引きずられてドカドカやって来るだろうに・・(笑)
なーんて思ってもみるが、他力本願はいけないのか。
東京は再ブームの火付け役になる規模はもちろんあるのだけれど、福岡もマインド&スケール的に起点になる可能性は十分にある。 がんばって欲しいですね。
つーか、お互い頑張りましょう‼
(イベント)★イスラ・デ・サルサ
ごめん、博多っ子の好きな “ イスラ ” ですけど、私まだ遠征したことがありません。
なので、宿題にしときますね。
8月に行われる大規模なラテンフェスタで、意味は “サルサの島”
2023年は4年ぶりの開催となったようです。
第一回は・・1997年なのか。 上のワンウェイのところでも書いたけれど、やっぱ90年代後半からサルサ&ラテン文化ブームが一気に盛り上がったように思えますね。
フェイスブックでの情報↓
https://www.facebook.com/isladesalsa/?locale=ja_JP
『イスラ・デ・サルサ』公式サイト
2024年は8月31日(土)、9月1日(日)の2days開催とのことです。
博多湾に浮かぶ離島、福岡市から一番近い島、能古島(のこのしま)のキャンプ村が会場。
この島について・・
https://www.knt.co.jp/meito/sp/nokonoshima/
《アクセス情報》
http://camp.nokonoshima.com/access/
福岡市の姪浜渡船場からフェリーで10分で着きます。
(博多駅や天神からフェリー乗り場までは30~40分かかるみたいですね。
地下鉄の姪浜下車でそこからバス利用でもOK。)
それでは最後に、フアン・ルイス・ゲーラ(From ドミニカ共和国)の『バチャータ・エン・フクオカ』の映像を上げておきます。
2009年8月に彼がイスラでライブを行った際に日本人がバチャータ・メレンゲ・そしてサルサを歌って踊れることに驚愕し、それにインスピレーションを得て作った曲です。
(この時の会場は福岡タワーの傍のももち浜。)
この曲は2010年のビルボードのラテンチャートで1位を取り、ラスベガスで行なわれた第11回ラテン・グラミー授賞式において「最優秀トロピカル・ソング」を受賞しました。 この曲の影響は大きく、ラテンアメリカ、スペイン語圏の人々にとって日本の「フクオカ」はとても有名で、いまでもこの曲が生まれた場所を訪れたいという人が大勢いるそうです。
ホント、耳に残る良いメロディーですね。
以上、「福岡の踊れる場所」の紹介でした。 ネット上のこういうサルサ&ラテン情報って古いものが多かったりするんだけど、このシリーズは最新情報なのできっとお役に立てると思います。
次回は、おそらく横浜を取り上げます。
それでは。